虹源学園の裏返った節分 <前編>

 勝てば官軍、歴史は勝者が作るもの。
 正義は伴うものでなく、従うもの。

 白く塗りつぶされた世界では、白こそが。
 黒く塗りつぶされた世界では、黒こそが。

 正義なのだ。

 即ち。
 妖魔に支配された虹源学園において。

 本日、二月三日。
 節分の日は、当然――

「鬼はぁぁぁ……内ィッ!」
「退魔師はぁぁぁ……外ォッ!」

 ――そういうことに、なっていた。

「やだっ……やめてっ、放してぇっ……!」

 正気を失くした男子生徒たちに捕まった茜の、悲痛な叫び声が響く。

「みんなっ……しっかりして……っ。妖魔なんかに負けちゃダメだよぉ……!」

 乱暴に組み伏せられながらの懸命な訴えは、

「うるせぇっ! 自分は負けといて何言ってんだ!」
「そうだそうだ! 負けちゃダメなのはむしろお前だろっ!?」
「むしろも何も、お前だろっ!?」
「っ……! うっ、ううぅ……っ」

 言い訳のしようもない落ち度を容赦なく突かれ、呑み込まされた。

「あっ!? だ、だめっ、いやっ……いやぁぁぁっ!」

 華奢な肩を、柔らかな二の腕を、細い手首を。
 キュッと締まった足首を、格好良い健康的なふくらはぎを。
 ストッキングの上からでもわかる、若く瑞々しいむっちりとした太ももを。

 何本もの学友たちの手に荒々しく捕まれ、乗せあげられる。
 四つ合わせた学習机が。茜のためのステージであり、処刑台であった。
 手足を押さえつけられて、四つん這いの屈辱姿勢をとらされる。

「オラッ。ケツ上げろっ、ケツぅ!」
「やっ、いやぁっ……! やだってばっ……ひぃんっ!?」

 必死にもがき、抵抗する茜に、無慈悲な暴力が加えられる。
 スカートをめくられ、黒ストッキング越しの純白ショーツが露になるや、強烈な平手打ちを見舞われた。
 尻肌に迸った鮮烈な痛みに、茜の背筋が仰け反り、苦鳴が漏れる。

 学園のアイドルだった美少女の愛らしい顔が、哀しげに歪む。
 それを見た少年たちの目が、虫の手足をもいで遊んだ幼き日の無邪気な残忍さを取り戻す。

「へへへっ……オラッ、ケツを上げるんだよ負け犬退魔師っ!」
「それとも犬より猿がいいかっ? このデケェ尻真っ赤に腫らしてヤラレたいのかマゾがぁっ!?」

「ひぎっ、ひっ、ぐひぃんっ……! ゆるしっ、あぐっ!? ゆるっ、ぎぃっ……!? お願いだからやめ、へぎぃっん……!?」

 小生意気な早熟ヒップが、寄ってたかって滅多打ちにされる。
 右から左から後ろから、正面から身を乗り出して平手を振るう者までいた。
 打擲の合間に、男子生徒たちの暴力的な欲望はストッキングにも及び、乱雑に毟られ、引き千切られていく。

 みるみるうちに、臀部のところだけがぽっかりと空けられ、
 その時にはすでに、痛々しく染め上げられていた少女の尻肌が露になった。

「うぅ……ぐすっ、ひどいよぉ……っ」

 すっかり気力を削ぎ落とされた茜は、自ら尻を上げ、羞恥の服従姿勢を受け入れた。

「そうそう。初めからそうやって素直にしてりゃあいいんだよ――ってわけで一番手頂きィッ!」

 要領良く、真後ろのポジションを確保していた男子生徒が、茜の尻を抱え、股間を肌蹴る。
 男をそそる括れきったウエストを引っ掴み、ショーツをずらして、いきり立つ若い肉棒をあてがう。

「ひひひ。鬼はぁぁ内、チンポもぉ〜内っ、てなぁっ!」
「あひぃぃぃっ!?」

 前戯もなしに、いきなり最奥まで突き入れられて、茜は驚愕と苦悶の絶叫を上げる。
 しかし、学園に充満する妖気にあてられた少年たちは、そんなことに構いはしない。
 好き放題に腰を振り立て、元憧れの美少女な現肉便器を堪能する。

「ほらほら鬼は内っ、退魔師は外ぉっ!」
「そしてぇ! ぶっかけはぁぁぁ――顔ぉぉぉぉっ!」

 膣孔の順番が待てない性急な少年たちは、自らしごき立てて茜の顔へと射精し始めた。
 いや、それは待ちきれぬためではない。

「へへっ……今日は節分だからなぁ……!」

 妖魔に支配された虹源学園。
 白と黒が裏返った節分の、これが『豆まき』であった。

 鬼ではなく、退魔師に。豆の代わりに、精液をぶつける、否、ぶっかける――。

「ああっ、イクっ、イクぞ、御堂っ……!」

 やがて、好き勝手に茜を犯していた一番手の男が身勝手に昇り詰める。

「ああっ、イクッ……! ち、チンポは内っ、射精すのは膣内(なか)だぁっ……!」
「そんなっ……!? 膣内はっ、膣内はやめてっ。妖魔に、にっ、妊娠しやすくされてるのぉっ……!」
「なにっ!? ……そいつはいいっ……俺の子供産んでくれよ、御堂ぉぉぉ!!」

 ビクッ、ビクビクゥッ!
 ドピュッ! ドクドクッ、ドププゥッ……。

「いやっ、いやぁっ……! 妊娠いやぁぁ……っ」

 おぞましい未来に嗚咽する少女を一顧だにせず、欲望を吐き終えた少年はご満悦で席を譲る。
 入れ替わりに茜の腰を引っ掴んだ少年は、煩わしそうに、捩れたショーツに手をかけた。

「まだまだいっぱいヤルのに、いちいち除けるの邪魔だから脱がしちゃうよ、これ」

 ビリビリと、無造作に白い布地を破り捨て、丸めて、投げた。

「よっしゃ! パンツは外、チンポは内ィ!」

 その言葉通り、美少女退魔師の秘部を覆っていた布地は、窓の外へと消えていった。

「ついでにこのボロボロのストッキングも外、スカートも外だねっ!」
「おう、上も脱がそうぜ。オラ、乳出せ乳! デカパイ見せるんだよっ」

 ブレザーを脱がされ、ワイシャツを剥ぎ取られ、ブラを千切り取られて。茜の素肌が暴かれていく。

「ほらほらブレザーは外っ、シャツも外っ、ブラも外だぁっ!」

 まだ少女の体温が残る衣服が、次々と窓から投げ捨てられていく。

 何人かいる着エロ嗜好の強い者は、それを不満に思わないでもなかった。
 しかし、まだ若い少年たちの中にあっては少数派であることと、
 やはりふさわしくない要望であることから、口出しを控えた。

 御堂茜――敗残の退魔師は、もはや『外』の存在なのだ。
 妖魔こそ正義であるこの学園においては、蔑まれ、見下され、虐げられてしかるべき存在。
 まともな扱いなどするべき、されるべきものではない。

 ゆえに、衣服などというものはふさわしくないのだ。
 家畜と同等、いやそれ以下の扱いをするべき最下層の存在である。

「オイッ! 靴なんて履いてんじゃねーぞこのメスブタがっっ!!」

 最後に、シューズを脱がされて、これまた窓の外へと投げ捨てられる。
 退魔師にふさわしい丸裸になった茜に、かつての学友たちは次々と獣欲をぶつけた。

「オラッ! 鬼は内っ、チンポも内っ、突き込むのは子宮口ィッ!」

 上手く韻を踏んだつもりらしいが、少し苦しいか。

「俺はぁぁ、膣内(うち)ィ! 射精すのもぉぉ、膣内(うち)ィ!」
「俺はぁぁ、外ぉぉ! ぶっかけはぁぁぁ、顔ぉぉおぉぉぉ!!」
「ぐひひっ……! 僕は髪っ、茜ちゃんの真っ赤なポニーテールマンコにザーメンムースだぁっ!」
「なら俺は乳っ、このエロすぎるGカップのデカチチにぶっかけてやるっ」

 鬼ではなく、退魔師に。
 豆ではなく、精液がぶつけられる虹源学園の節分は、まだまだ終わりそうになかった。

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